猪熊弦一郎は、師のアンリ・マティスに自分の絵の批評を請うと、「お前の絵はうますぎる」と言われて愕然としたそうです。どんな風にでも描ける猪熊弦一郎は「うますぎる」ゆえに、以後「へた」に描くしかなかったのかもしれません。しかしながら、うまい画以上に多くの鑑賞者を惹きつけるのは、例えようもなく味わい深い画ではないでしょうか。微笑ましくも愛おしい作品は、おそらく見飽きることがないでしょう。なお、掲題の「裸婦と猫」は仮題です。

作品全体に経年なりの軽いヤケや一部分にシミなどありますが傷みはなくおおむね良好な状態です。額全体にも軽い経年感はありますが展示・鑑賞に支障のない程度に良好な状態です。額の前面にはガラスがあります。作品サイズ：17.0cm×12.3cm。額サイズ：26.2cm×21.2cm×2.3cm。掲載の画像でご確認のうえ、入札をご検討ください。発送は佐川急便（送料着払い）とさせていただきます。

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猪熊弦一郎（いのくま・げんいちろう） 1902年～1993年

洋画家。新制作協会創立会員。1902年、高松市生まれ。旧制丸亀中学校卒業。1922年、東京美術学校洋画科に入学し、藤島武二に師事する。1926年、帝展初入選。その後、特選に選ばれるなどして帝展無鑑査となる。1936年、小磯良平、脇田和らと新制作派協会を設立。1938年、渡仏してアンリ・マティスの指導を受ける。終戦後は、田園調布純粋美術研究室を発足して後進の指導にあたる。1955年、活動拠点をニューヨークに移し、一気に抽象の世界に移る。マーク・ロスコ、イサム・ノグチ、ジョン・ケージ、ジャスパー・ジョーンズらと交友関係を深める。1973年、脳血栓で倒れてニューヨークを離れる。1975年からはハワイで創作活動を続ける。1980年、勲三等瑞宝章を受章。1993年、第34回毎日美術賞を受賞。同年、急逝。享年90歳。

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