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『これまでの半生が、いかばかりの価値を持つものか、私は知らない。
しかしいえることは唯一つ、私は空手に生き、空手に死す!!』
――職人空手を標榜し、野に放たれた著者が世に送る“喧嘩十段”『流浪の記』
芦原英幸先代館長の記念すべき最初の著書。
独立し自ら設立して間もない「芦原会館」に対する意気込みが感じられる。
第一章は芦原空手の理念が述べられている。
当時の空手の技術が大会用の技術追求主流となり、
武道の本質から遠ざかっていることに危惧を抱いていることなどが書き記されており、
「空手道場はチャンピオン養成機関ではない」と当時の空手界に警鐘を鳴らしている。
この章で初めて自らを「空手職人」と宣言。
第二章から第四章までは、自身の幼いころの思い出、大山道場時代からの修行時のエピソード、
四国に渡ってからのエピソード、そして芦原会館設立の話などが書かれている。
この章の中では、自身の話以外にも当時の高弟のエピソードや写真もふんだんに盛り込まれている。
第五章は芦原カラテの目指すもの、技術や心構えなどが書き記されている。
〔目次〕
第1章 芦原空手の理念
第2章 空手の奥義を求めて
第3章 実戦空手流浪記
第4章 新たなる挑戦
第5章 闘いの技と心
〔著者略歴〕
昭和19年12月4日広島県佐伯郡能美町に生まれる。
幼い頃より正義感に溢れ、中学まで剣道を学ぶ。
35年、志を抱いて上京。板橋区にある知人の経営する会社に勤務。
36年『大山道場』(現極真会館)入門。
空手の修行に日夜明け暮れ、入門四年目にして極真会館指導員となる。
42年3月、関西に空手を広めるべく四国入り。
修行の時期を経て45年6月八幡浜、54年1月松山に自分の道場を持つ。
55年9月『新国際空手道連盟・芦原会館』を創立、現在に至る。