葵窯 紀州焼 干支 酉 とり 香合 辛酉 昭和56年 二世 寒川栖豊 南枝庵 鶏 太鼓 時の記念日 美品 共箱 共布 しおり 栖豊

紀州焼 葵窯 の 酉香合。 “鶏と太鼓”の面白い意匠です。たしか 古品にもこの組み合わせはあったはずで、“知恵”とも“粋”とも“諧謔”とも言える発想は 見事だと感心するばかりです。鶏は 夜明けを知らせる….“時をつくる” ものとして古来から絶対の存在でしたし、太鼓も 同様に時刻を告げる大事な役割を担っていたことは有名です。多くの事物の中から両者を選び 組み合わせた卓抜のアイデアはまことに素晴らしく 正に“知恵の集積” を感じます。
葵窯 ご存知の二世 寒川栖豊の窯です。この窯の作はいずれも仕上がりの美しい センス溢れる品ばかりで、初世とはまた持味の異なる 二世ならではの感覚が結構だと思います。殊に干支物で示されるメルヘン感 繊細さは独特で、これこそ初世には無かった魅力だと思います。
この品 それにつけても作家さんのベストではないかと考えます。色のコントラストの見事さ 造形の明晰さ 味わいの濃厚さ…などなど 数え上げればきりが無い魅力に満ち それでもなおユーモアに溢れて余裕綽々。極ちいさな品ではありますが “凄み”さえ漂う完成度で、中はエネルギーで満ち溢れている事が感じられます。常から出来上がりの目覚まし作家さんではありますが、中でもトップクラス…“ベスト オブ ベスト”だと思われます。
“干支物” としての製作であった事は明らかですが、“時の記念日”関連の品としても応用可能です。現在では 6月10日を充てていますが、日本書紀には 4月25日と記載されているらしく、お話の“良いきっかけ”になり 重宝だと考えます。
辛酉ですので 昭和56年用の作という事になります。各サイクルで試行錯誤があり いずれも良い出来ではありますが、中でもこの紐付きの共箱の時代は デザインも出来も大変に良く、この分野でのピーク期ではなかったのかと考えられます。（多分この後 箱がスライド蓋の時代に切り替わります。）

美品です。既に40年ほどの時間が経過していますが、本体 とても良い状態で 使用感はほとんど感じられません。共箱も 裏面に点シミが散見されますが、その他は良い状態だと思います。共箱 共布 しおりの揃った条件の良いセットだと思います。

概寸 w 4.7cm×d 4.8cm×h 7.4cm

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