鎌倉時代の木彫弥勒菩薩坐像です。木造の弥勒菩薩坐像といえば醍醐寺本堂に安置されているもの（重要文化財）を一番に思い出しますが、中世の弥勒菩薩坐像というのは非常に数の少ない像容です。本像は、それとは比較にならないまでも、ふっくらとした体躯で、お顔の輪郭もふくよか、さらに表情は大らかで愛らしく何処かあどけなさを感じさせます。また、その一方で、細部を見れば、衣文や冠などの表現には力強くしっかりとした彫技が示されており、鎌倉彫刻後半期の傾向が如実に見て取れる稀少な木彫仏です。見ての通り木肌はウブく、厚く煤けており、手の周りや太い膝前の衣文部分などは少し煤を落としたくもなるのですが、敢えて手は加えずこのままの状態（ウブ成り）で送らせていただきます。ルーペで見ると煤けた肌の下に二ヵ所漆箔が覗いているのが確認できました。制作当時は、さぞ荘厳な弥勒菩薩様であったことでしょう。大きさは、像高：約１７.４cmです。注意深くチェックしましたが、見たままの状態で補修など後世に手が入った箇所は一切ありません。この時代の木彫仏としては極めて好ましい状態の良さと言って何方からも異論はないでしょう。なお、贋作・新作が多く流通する分野ですので、本出品においては本品が鎌倉時代の木彫弥勒菩薩坐像であることを保証させていただきます。どなたさまも、どうかご安心の上、オークションをお楽しみいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

【「盆」展示即売会開催のお知らせ】今週末３月３０日（土）１１時～１７時、３１日（日）１１時～１７時、二日間の日程でBOOTLEG gallery（東京都新宿区改代町４０）にてお盆の展示即売会を開催いたします。九州の矢部盆を５０枚、古今東西の様々な盆を５０枚、長い年月をかけて選び抜いた１００枚の盆を展示即売いたします。ご興味のある方は是非お立ち寄りください。尚、花元インスタグラムにて商品紹介を行っています。商品の詳細はそちらからチェックしていただけましたら幸いです（instagram.com/keizo.ando)。どうぞよろしくお願いいたします。

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